用語説明

  • ■AEL 被曝放出限界(Accessible Emission Limit)
    「各クラスで許される、最大の被曝放出レベル」と定義されています。そのレーザが属する安全クラス(1,2,3Bなど)に規定されたAELを超えて、出力する事は有りません。レーザ機器製造者は、定められた測定方法で、性能上可能なあらゆる動作モードで、表示されているクラスのAELを超えないように評価を行い、適切なクラス表示を行っています。
  • ■APC回路(Automatic Power Contorol)
    半導体レーザは周囲温度が上がると暗くなり、下がると明るくなる性質があります。APC回路は出力された光をモニターしフィードバックさせ、いつも一定な明るさを保つようにしています。弊社のレーザにはすべてAPC回路が内蔵されています。
  • ■MPE 最大許容露光量(Maximum Permissible Exposure)
    「通常の環境のもとで、人体に照射しても有害な影響を与えることがないレーザ放射レベルの最大値」と定義されています。これを超えてレーザを浴びると、即座に障害が起きると言うものではなく、半分の確率で皮膚や網膜が障害を起こす照射量の1/10の照射量を、概ねそのレーザの最大許容露光量と定めています。波長と露光時間で決められ、単位はパワー密度[W/m2 or J/m2]で示されます。これを元に、レーザのクラス分けに使う、AEL(被曝放出限界)を定めています。
  • ■NOHD 公称眼障害距離(Nominal Ocular Hazard Distance)
    「ビーム放射照度又は放射露光が角膜上の最大許容露光量に等しいところまでの距離」と定められています。レーザ光は直進性が良いのですが、実際には広がりが有るため、ビーム径は離れる程大きくなります。ビームが広がるほど、パワー密度が低下していき、そのパワー密度がMPEを下回った時、射出口からその位置までの距離を、公称眼障害距離(NOHD)と呼びます。この距離以内でレーザ被爆した場合は、MPEを越えていますので注意が必要です。しかし、この距離以上なら安全で見続けても良いことではありません。
  • ■W.D. 投映距離(Work Distance)
    レーザ機器前面から投映面までの距離です。一般的にレーザの最先端射出口からとしています。
  • ■アナログコントロール機能
    アナログ電圧0V〜5Vで光量可変できる機能です。光量調整をレーザ本体でなくリモートからワークに合わせ調整できます。
  • ■安全クラス
    レーザ機器はJIS C 6802(IEC 60825)の安全基準によりクラス分けされAELが定められています。弊社製品はクラス1〜3Bの範囲です。
  • ■外部コントロール機能
    TTLレベルで外部信号により、変調や点滅制御ができる機能で、投映必要時のみ点灯させたり、CCDカメラシャッターに同期させて点灯・消灯ができます。
  • ■型式説明
    型式は概ね下記に従います。
    例 LDS163Lの場合、①LDS ②1 ③63 ④L ⑤-**
    ①LDS:シリーズ名。
    ②1は光出力1mWを表します。5は5mW、40は40mWです。
    ③63は発振波長635nmを表します。65:650nm、53:532nmとなります。515、660など3桁表示の場合もあります。
    ④L:ラインパターン、S:スポットパターン、C:クロス(十字)、CR:サークル(円形)を表します。
    ⑤-**は標準型式の末尾に付き、その標準形をモディファイした準標準品や特注品を表します。
  • ■線長
    線形パターンの場合、その長さを表します。目視用途の場合、周囲の明るさにより、線長や線幅の見え方が異なってきますので注意が必要です。
  • ■線幅
    線形パターンのラインの幅を目視できる値で表します。画像用では光量エネルギーのピーク値eより1/e2の値(約13.5%)の幅を線幅と規定しています。
  • ■電源電圧
    DC電源タイプは5Vを標準としています。DC5V〜6V±5%で使われても光量や寿命には大差ありません。その他12Vや12V〜24Vタイプがあります。レーザ素子はノイズに敏感な素子ですので、電源にはインパルスノイズ分の少ないきれいな電源を使用下さい。また、長い配線距離ですと、途中でノイズ誘導受ける恐れがありますので極力近くに電源を設置され、AC電源側を延長するようにして下さい。雷サージを吸収する「雷ガード」もアクセサリーに用意しています。
  • ■投映方式
    レンズによりある距離に焦点を絞れるようにしています。距離調整(焦点調整)は可変式と固定式があります。可変式は無限大まで距離調整ができます。使用レンズには非球面や球面レンズで材質はプラスチックとガラスがあります。ハイグレードな品種はガラスレンズを使用し耐環境性向上を計っています。
  • ■発振波長
    レーザ発光している光の波長です。400nm台(青紫色)、500nm台(緑色)から600nm台(赤色)更に800nm台(赤外線)などを使用します。ワークに対して見やすい色を選びます。目視用途では635nm、515nm、520nmが良く見えます。画像用途ではカメラ感度なども考慮します。
  • ■光切断方式
    線形パターンを対象物体の上方斜めから投映し、高さ方向のデータを平面データに変換して計測する方法で、X、Yの平面データとZ方向の高さデータを得て3D計測に利用します。
  • ■分散光源(Extended sources)
    広がりのあるラインレーザやスポット光など視角α(レーザ開口部を見た時の角度)が1.5mradを超える場合は分散光源としてAELが緩和されます。レーザのクラス分けはIEC 60825(JIS C 6802)にて判定します。従来はデフォルトの評価(α=1.5mrad)で判定していましたが、高出力でクラス3Bであったものが分散光源扱いではクラス3Rになり安全管理上使い易くなります。弊社製品で高出力のものは分散光源で判定しております。分散光源の対象クラスは1〜3Rです。
  • ■平均寿命
    半導体レーザはLEDなどよりも寿命が短い電子部品です。寿命は使用温度環境に左右されます。1mW〜5mWクラスの小型レーザの平均寿命は10,000時間としています。デバイスメーカーでは素子電流が 20%増えた時点を寿命としており、定格動作では3万時間近くまで延びますが、635nm当社組込機器では安全を見て、1万時間/常温としています。高出力のレーザでは8,000〜10,000時間となり、660nmでは20,000時間のものも有ります。
  • ■保護構造
    IEC規格(IEC60529)でIP40、IP67などと表現される機器の個体や液体に対する保護の程度を表します。一般のレーザ機器はIP40となっており、φ1mm以上の個体物の侵入保護がされています。液体の侵入保護はありません。
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